この記事の目次
株式会社 ア・ソリューション 代表取締役 高橋 伸枝
1.テーマ設定とプログラム
接客スキルやマネジメント他、社員研修を企画する際には「テーマと対象者」の2つの要素がベースとなります。受講対象が新入社員・ベテラン社員・幹部クラス・管理職などポジションによって料金設定が異なる場合とポジションに関係なく「接客マナー・リーダーシップ」などのテーマ自体に料金を設定する場合もあります。また、一回限りなのか・複数回のプログラムなのかによって変わることもあります。複数回行う場合は、連日開催や一定期間空けて二回目を実施したり一泊二日の宿泊を伴うケースなど、その方法も様々です。まず始めに、誰にどうなって欲しいのか?というざっくりとした要望を研修会社や講師と綿密に打ち合わせしながら合意できる料金を決めていくことをお勧めします。
♦ 研修の目的に応じたゴール設定が必要
上記で述べたように受講した人にどうなって欲しいのか?何を指標とするのか?など研修の費用対効果を図るためにもゴール設定は重要なカギです。現状➡課題抽出➡問題解決に向けて担当する講師・会社と十分に打ち合わせして共有することがスタートです。学校ならば知識のインプット、社会人研修は行動のアウトプットと言えます。何を以てして相場かというと一概には言えませんが、同じ目線でプログラムを作る・目的を共有する相互理解が料金整合性の判断基準であり、この相互理解こそが受講者の行動変化・業績アップにつながる研修の秘訣です。
2.研修料金【例】
※ 複数回の場合:一定期間を空けて実施することが多いです
※ 料金の幅:人数・グループ数などにより変動しますので以下の事例は平均値をとった料金です (グループ数とは40名を3グループに分けて別日に実施など)
※ 料金設定の基準:参加者一人〇〇円/一時間当たり〇〇円/一日当たり〇〇円/契約期間など研修会社によって様々です
※ 1~3の事例:目的別に理想とする所要時間が異なるため複数の組み合わせがありますので二日間を1回とするケースや一日間ずつ3ヶ月に一度実施する4回コースの事例を取り上げます
【例1】接客販売研修
主なテーマ | 人 数 | 回 数 | 料金目安(税別) |
■ 好印象のショップ演出 ■ 接客マナーと接遇スキル ■ セールステクニック | 15名 程度 | ❶ 一日コース ❷ 二日コース | ❶ 15万円 ❷ 30万円 |
【例2】管理職研修
主なテーマ | 人 数 | 回 数 | 料金目安(税別) |
■ 部下育成 ■ 評価者面談 ■ 感情コントロール | 15名 程度 | ❶ 1回コース ❷ 4回コース | ❶ 23万円 ❷ ~92万円 |
【例3】階層別研修
対象者 | 主なテーマ | コース | 料金目安(税別) |
1.新入社員 2.中堅社員 3.ベテラン社員 4.幹部クラス | 1.職場のマナー 2.リーダーシップ 3.マネジメント基礎 4.管理職の役割 | 各一回 年間コース | 100万円~ |
★ 対面集合形式とリモート形式 ★
♦ 対面研修:メリット👉参加者同士の情報交換・課題共有などお互いの表情や思いが伝わり交流がスムーズ:デメリット👉参加者が会場に集合する経費が発生する
♦リモート研修:メリット👉周りの雰囲気に流されず自分自身と向き合える:デメリット👉参加者の理解度が図りにくく一方通行になりやすい
3.その他諸経費
研修そのもの以外に別途、以下の経費がかかることがあります。内容・資料のボリュームによっては研修費に含まれることもありますので打ち合わせの段階で確認する必要があります。たとえば、スクリーン投影・リモートでは画面共有で進めるなど、配布物を使用せずに参加者は各自メモだけの準備となりますので経費はかかりません。
- 教材費 ➡ 研修で使用・配布するテキスト類に別途料金が発生する場合があります
- 会場費 ➡ 社内に会議室がある場合を除き別会場の使用料が発生する場合があります
- 講師経費 ➡ 会場への移動に伴う交通費や開始時間によっては前泊の宿泊費がかかる場合があります(基本的に実費)
※ 事前の打ち合わせが遠方の場合は交通費のみ申し受ける場合があります。また、特別な事情で複数回且つ長時間に亘る擦り合わせが必須なときなどは、稀に時間当たりの料金が発生することもあります。
3.実施までの流れと検討材料
階層別研修のような長期間の取り組み・接客研修でも二回以上のコースの場合はPDCAが必要となります。一回終わるごとに振り返りを行い、実状に合わせて当初計画のプログラムに修正を加えることで現場に即した活きた研修の実施につながります。また、研修後に気づきや学びを継続して行動に移すためには何らかの形でフォローアップが必要です。一堂に介する場を設けなくても様々なフォロー方法があります。
♦ 研修実施までの流れ
【その他必要な準備】
♦ 日程調整・場所の確保などの物理的な決めごと➡ イベントや会議など現場の都合と講師スケジュールの擦り合わせを行う
♦ 大人数の場合の教材・資料➡ 紙ベースでの配布物は事前に会場に送る/スクリーン使用の場合は事前に投影テストを行う
まとめ
外部に研修を依頼する際の料金目安と考え方についてお伝えしました。研修は社員教育・人材育成の有効な手段の一つです。社内研修を実施した後、実行を促すためのフォローアップとして外部を活用することも効果的な方法です。何よりも、依頼する会社=講師との信頼関係が成功の秘訣です。事前打ち合わせをしっかりと行って、目的とゴール設定に基づき、受講参加者の目線・レベル・マインドに応じたプログラムを組み立てることが大切です。
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