この記事の目次
株式会社ア・ソリューション 代表取締役 高橋伸枝
1.お客様の分類を整理しよう
最近、客数が減ってきた・それが売上にも影響しているのでリピーターを増やしたいと思うこともありますよね。そんな時、どのお客様が少ないのか?どのお客様を増やしたいのか?を考える上でお客様の定義を明確にしておく必要があります。
- 新規客 ・・・初めていらっしゃるお客様
- リピート客 ・・・2度いらっしゃったお客様
- 顧客 ・・・定期的にいらっしゃるお客様
- 固定客 ・・・そのお店以外は利用しないお客様
2度利用した時点で「顧客」と呼んだり、「しょっちゅう来るお客様」という意味で「顧客」と呼ぶ場合もあるようです。実際には、どちらも間違いではありません。リピーターを増やすには、新規客のリピート率をアップさせること・リピートしたお客様に定期的に利用してもらう必要があります。そして、何か欲しい時は必ず来ていただく固定客を増やすことができれば安定した売り上げにもつながります。では、どんな方法で客数を増やすか見ていきましょう。
2.将来顧客でリピーターを増やそう
初めて利用するお客様が固定客になっていただくまでにはステップがあります。また、購入の有無にかかわらず来店頻度をあげることで顧客→固定客になっていただける可能性もあります。
- 下見客 ・・・本当に下見だけでなく悩んで決められず結果として下見客になる
- 見込み客 ・・・未購入だが使う・利用する・買う可能性があるお客様
- ブランド顧客・・・一つの店舗に限定しないそのブランド・会社の顧客
- 固定客 ・・・定期的にその店舗だけを利用するお客様
- ロイヤル顧客・・・自分だけでなく友人知人にも広めてくれるお客様
リピーターを増やす目的は前述した通り「客数」を増やすことですよね。かと言って、新規客が増えなければいつも同じお客様に頼ってしまうことになります。顧客が引っ越しなどの事情で来れなくなったり、他社に移ってしまうかもしれません。下見客と見込み客を大切にすることも客数を増やすカギです。
❶ 新規客のリピート率をアップするには?
2度来ないお客様が3度来ることはありません。最初に利用したとき、好印象で「また行きたくなる理由」があればリピートしますよね。ところが、特に悪い印象がないのにリピートしないこともあります。それは単に「忘れてしまう」からです。リピートしてもらうために以下のような対策も有効です。
- SNSの活用・・・販売促進の広告だけでなく興味を引く企画
- DM・メルマガの活用・・・お誕生日の特典・期間限定などの情報発信
- ポイントカードの活用・・・メリットの明確化・スマホでのポイント管理
❷ また来たいと思っていただくサービスとは?
SNSやポイントカードはあくまで物理的な手段です。お客様のニーズがあったときに、いかに思い出してもらえるか?浮かべてもらえるか?となれば、やはり接客やサービスというソフト面が重要です。どんなにすごい特典があっても、スタッフの感じが悪ければ誰もそこに行こうとは思いませんよね。お客様=人間は皆、感情の生き物です。そのお店やスタッフを好きになってもらう必要があります。記憶に残るサービスや、印象に残る個別対応があって初めてSNSもポイントカードも活きてきます。接客用語の「またお待ちしております」が事務的な挨拶にならないよう、お客様との会話を参考にして、お見送りのときに「忘れられない一言」を工夫してみましょう。
予告編で期待してもらう
次回に向けて、積極的に情報提供しましょう。新製品・新発売のお知らせや来月からスタートするサービスなどをお伝えして「また来る理由」を作りましょう。期間限定や個数限定など、思わぬ予約につながることもあります。
リピーターを増やす方法について動画で解説しています
3.顧客満足度を高める3つのポイント
リピーターを増やすには、やはり顧客満足度を高めることが重要なカギです。継続して実行すべき3つのポイントを紹介します。
❶ サービスが常に安定している
購入・未購入にかかわらず、いつ行っても変わらないサービスが提供できているでしょうか?確かにお店にも事情がありますよね。すごく忙しいときもかあればヒマなときもあります。繁忙期で混雑していれば、通常期と全く同じ対応は無理かもしれません。しかし、どんな状況でもこれだけは守る。ということを決めておくことは可能ですよね。
- 常に笑顔・いつも笑顔・お客様が見ていなくても口角をあげておく
- 待っているお客様には短い一言を必ずかける
- いらっしゃいませ・ありがとうございますという言葉に心をこめる
❷ スタッフの対応が安定している
スタッフによって差があるのはNGです。特定のスタッフが気に入って来店するお客様もいらっしゃいますが、そのスタッフがお休みだったり休憩中だったりすれば他のスタッフが対応することもあるでしょう。あの人は親切だったのにこの人は全然違う、と感じれば「対応が安定しない」ことになります。これを全員が統一するのは至難の業、と思うかもしれません。以下の3つを例に考えてみましょう。
- リピートしたお客様のことを全員が覚える意識を持つこと
- 自分のお客様かそうでないかで差別しないこと
- 自分が担当していないお客様へも気配りすること
どのスタッフが担当しても「感じがいい」「親切」「楽しい」ことを提供することが大切です。そうすれば、お客様は、いつでも安心して行くことができますよね。3.を実行することで自然とお客様を覚えることにもつながります。お客様は「あれ?見たことない人しかいないな・・」と思った時点で不安になるものです。
➌ 商品がいつも新鮮である
商品と言っても「モノ」とは限りません。洋服・化粧品・バッグ・靴などはもちろん、いつも輝いていることが必要です。レストランなら食品サンプル、ホテルならお部屋の清掃など提供する全てに「新鮮さ」が求められます。鮮度が悪いと売れないのは、魚や肉だけではありません。
- ディスプレイは毎日どこか変えていますか?
- 上の棚の商品にホコリはありませんか?
- 同じ物が別々のところに置いてませんか?
- 使う状態を想定して掃除をしていますか?
- 一番キレイに輝いて見える工夫をしていますか?
- 活き活きと見えるように角度や高さに変化を加えていますか?
このように、取り扱っている商品をいかに輝いて新鮮に見せるか?は大切です。特に百貨店などは、毎日来るお客様もいらっしゃいます。昨日と全く同じ、先週と全く同じ場所に同じ物が置いてあったらどうでしょう?新鮮味は感じませんよね。お店の中からチェックするのではなくお店の外に出て「お客様の目線」でお店を見ると今まで気づかなかったこともあるかもしれません。
5.まとめ
いかがでしょうか?リピーターを増やす目的は、客数を増やすことです。SNSやメルマガを活用してリピートしてもらうことも可能です。でも、やっぱり一番確実な方法はお店の好印象・記憶に残る接客ではないでしょうか?せっかくご縁のあったお客様に何度でも足を運んでもらいたいですよね。お店とスタッフのファンを増やすことが結果として業績アップにもつながります。
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