提案のバリエーションがあまりないので、用意していた提案を断られたり、別な提案を求められたりすると困ってしまいます。提案のバリエーションはどのくらい用意すればよいのか、そもそもそんなに異なる提案などできるのでしょうか?

頭を白紙にしてお客様の話を聞く

会話が途切れることを怖がってはいけない

提案のバリエーションはアプローチのバリエーション同様、お客さまの数ほどあります。ただし、マニュアル化できません。商品に関しては、この商品はこう使うとか、あるいはお客さまがこう質問したら、どう答えるとか、相手が誰であろうと答えが同じものはマニュアル化できます。でも、ソフトの部分というのは、もともとマニュアルに適さないのではないかと思います。
用意していた提案を断られると、それで立ち往生するというのは、引き出しが少ないからですね。用意していたもののほかに、その場で思いつく提案も必要です。両方ないと接客が成立しません。では、その場で提案を思いつくにはどうすれば良いかということですが、答えは、お客さまの話をよく聞くことです。何も思いつかないのは、お客さまの話を聞いていないからなのです。(略)

話す30・聞く70

接客とは、流暢によどみなく会話を進めることではありません。お客さまも人間だし、販売員も人間です。口ごもることも、話に詰まることも、間が空くこともあって当たり前なのです。わたしたちは喋る機械ではないのです。そこは発想を変えてみましょう。
販売員があまりにも流暢に会話を運ぶ人だったら、むしろそのほうがお客さまにはプレッシャーになるかもしれません。どんな質問にも完全武装をしたような受け答えをされると、お客さまはホッと一息つくヒマもなくなります。(略)